はじめに
中国では1998年に住宅民営化が行われます。つまり住宅株式が国から私企業や民間人へ移管さたのです。これによって住宅価格が市場価格によって決まる様になりました。そしてその後2003年までには不動産の財産権についてもその完璧なものが都市戸籍を持つ世帯に付与される事になります。つまり都市部の一般世帯が自由な不動産の売買を行う事が可能になり、それによって生じる利益も課税されること無く自分達のものにすることが出来る様になったのです。
こうした政策によって、都市部家族は積極的に住宅を購入、売却するようになり、急激に豊かになります。一方で農村世帯には財産権について相変わらず厳しい制限があり、住宅市場に参加する事は出来ないでいます。
今回は、こうした都市世帯の享受している住宅ブームを“バブル”と呼ぶことが出来るかどうかをテーマに、中国の住宅市場の行く末を見ていきます。
建設量と価格の上昇で見る中国の住宅ブームの凄まじさ
住宅民営化が行われる直前の1996年から2012年の16年間に、新規住宅の年間建設量は3倍に増加しました。これは住宅の敷地面積にして6億平方メートルから18億平方メートルへの増加でした。
これと並行して住宅価格自体も急激に上昇していく事になります。2003年から2013年の10年間に中国都市部の住宅の平均価格は167%増加しました。そしてこの間、人々にとって最も魅力的な都市である北京や上海においては平均住宅価格は3倍近くに膨らんだのです。もし北京や上海の住宅を初期価格で購入したとしたら、それが10年後には3倍に膨らんでいたという事ですから、売却すればどれだけ大きな利益を得ることが出来たかが分かります。
こうして都市部家族は住宅市場参加でどんどん豊かになって行きました。
こうした中国都市部の住宅ブームはバブルであり、その内弾けてしまうのではないか、と言う見方ができるかもしれません。しかし建設量や住宅価格が上昇していると言う事実だけでは、これがバブルであると言う事の証明にはなりません。そもそもバブルとはどんな状況を言うのでしょうか?
バブルとは何か?
こうした中国都市部の住宅ブームはバブルであり、その内弾けてしまうのではないか、と言う見方ができるかもしれません。しかし建設量や住宅価格が上昇していると言う事実だけでは、これがバブルであると言う事の証明にはなりません。そもそもバブルとはどんな状況を言うのでしょうか?
バブルという現象を特定する事は難しい事ですが、共通の定義としては、住宅や株式市場の株、またはチューリップの球根などの特定の物の価格がそれらの基本となる価格よりも遥かに高くにまで上昇する現象を言います。チューリップの球根の基本価格(誰もがその物の価格として妥当であると考えるもの)と言えば数百円くらいでしょうか。そうなら、これが数千円とか数万円にまで上昇すればそれはチューリップバブルと呼べるでしょう。しかし、実際にはこの基本価格に決まった値と言うのは無く、市場原理によって如何様にも左右されます。もしかすると、その内チューリップの球根一個が数千円なのが当たり前の時代が来るのかもしれないのです。だから、結局バブルと言うのは弾けてみて初めてそれがバブルであると分かるもの、とも言えるのです。
例えば日本で1987年に始まり1991年に弾けたバブル経済は、1991年になって実際に弾けるまでバブルとは呼ばれていなかったでしょう。
そうは言っても、価格が上昇している間にそれがバブルであるかどうかを見極めたいものです。弾けてからではもう手遅れですから。そこでバブルの特定の仕方をご紹介します。
バブルの見極め方
そうは言っても、価格が上昇している間にそれがバブルであるかどうかを見極めたいものです。弾けてからではもう手遅れですから。そこでバブルの特定の仕方をご紹介します。
まずその物の価格が過去においてどの様に振る舞ったかを注意深く見ます。そしてその価格変動の正常範囲を導き出し、これを現在の価格の上昇の仕方に適用します。もし一度でも価格がこの正常範囲を大きく超える事があれば、この現象をバブルと呼ぶことが出来ます。
生憎、先述の手法で中国の住宅ブームがバブルであるかどうかを特定する事は不可能です。何故なら中国では2000年代初期(都市部家庭に不動産財産権の付与が行われた時期)以前に民営の住宅市場が存在しなかった為、十分過去の住宅価格の変動データと言うのが明らかに不足しているからです。十分昔に遡ってみて見なければ、先述の正常範囲と言うのも決めることが出来ないのです。
中国都市部の住宅ブームはバブルなのか?
生憎、先述の手法で中国の住宅ブームがバブルであるかどうかを特定する事は不可能です。何故なら中国では2000年代初期(都市部家庭に不動産財産権の付与が行われた時期)以前に民営の住宅市場が存在しなかった為、十分過去の住宅価格の変動データと言うのが明らかに不足しているからです。十分昔に遡ってみて見なければ、先述の正常範囲と言うのも決めることが出来ないのです。
しかし、私たちは中国の住宅ブームがバブルではないと断言することが出来ます。
その理由の一つとして、住宅民営化以前の数十年間、中国の住宅価格と言うのは国が決めた一定の価格から全く変わらなかった、つまり市場価格に比べて極めて低いままだった、という事です。この極低価格がスタート地点なのですから、一度市場原理が始まれば自然に住宅価格は上昇する事になります。
もう一つの理由は住宅民営化が始まった当初は住宅の供給不足が深刻だったという事です。供給量が需要に対して極めて低かったのですから、価格は上昇せざるを得ませんでした。
中国の住宅ブームがバブルであるかどうかを考察してきました。結論としては、住宅価格が上昇するのが自然な程、初期価格が低く、同時に住宅供給不足が深刻だったのであり、これはバブルなどではない、と言うものでした。また、この住宅ブームの凄まじさを数字でも見てきました。北京や上海と言った大都市での住宅価格の上昇は凄まじく、民営化が本格化した2003年から僅か10年で3倍というとてつもないものでした。この凄まじさがバブルでは無く現実の物だと知った今、中国の将来がまだまだ明るい事が分かりました。
まとめ
中国の住宅ブームがバブルであるかどうかを考察してきました。結論としては、住宅価格が上昇するのが自然な程、初期価格が低く、同時に住宅供給不足が深刻だったのであり、これはバブルなどではない、と言うものでした。また、この住宅ブームの凄まじさを数字でも見てきました。北京や上海と言った大都市での住宅価格の上昇は凄まじく、民営化が本格化した2003年から僅か10年で3倍というとてつもないものでした。この凄まじさがバブルでは無く現実の物だと知った今、中国の将来がまだまだ明るい事が分かりました。


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